
ラオスのB2B展示会とは、首都ビエンチャンの Lao-ITECC(ラオス国際見本市・コンベンションセンター)を中心に開催される、年間5〜10件規模の業界別ビジネス見本市群である。タイやベトナムと比べて単独イベントの規模は限定的だが、政府主導の Made in Laos、Lao MSME Expo、近隣国連動の Vietnam-Laos Trade Fair、デジタル分野の Lao Digital Week が中核を成し、加えて Bangkok・Hanoi 経由のCLMV連動動線が B2B 接点として機能している。
本記事は、ラオス進出や業務拡大を検討するB2B企業の事業企画・出展担当・調達担当向けに、2026年5月から2027年5月までの主要イベントと近隣国連動戦略を整理したガイドである。読了後には、限定的な現地展と ASEAN 連動を組み合わせ、ラオス市場への B2B 接点を年間4〜5回設計できるようになる。

ラオス市場で失敗しないB2B戦略の基本は「ラオス単独で考えない」こと。 Lao-ITECC を中心とした現地展は限定的なため、タイの METALEX や THAIFEX、ベトナムの Vietnam Manufacturing Expo などの大型展と組み合わせて来場者・商談機会を確保するのが現実的である。本章では市場特性、主要会場、ASEAN連動の3つの視点を整理する。
ラオスの B2B 展示会市場には以下のような特性がある。
このため、純粋な業界別 B2B 展示会のカレンダーとしては薄く、政府主催展や近隣国との連動を組み合わせたハイブリッド戦略が前提になる。
Lao-ITECC(Lao International Trade Exhibition and Convention Center) は、ビエンチャン中心部から車で約10分の位置にある国内最大の展示・コンベンションセンター。総面積約30,000㎡、駐車場1,000台超、メインホールに加えてパビリオンと屋外スペースを擁する。Lao MSME Expo、Made in Laos、Vietnam-Laos Trade Fair などの主要 B2B イベントはここで開催される。
ただしすべての主要 B2B イベントが Lao-ITECC で開催されるわけではない。例えば Lao Digital Week は2025年に National Convention Centre, Vientiane で開催されており、デジタル系イベントは別会場が選ばれる傾向がある。出展・視察計画を立てる際は、各イベントごとに会場を再確認したい。
その他の選択肢として、ホテル併設のコンベンション施設(Holiday Inn & Suites Vientiane など)が中規模カンファレンス・授賞式イベントに使われる。Lao Responsible Business Awards & Trade Fair はその一例で、商工会議所主催のクローズドな商談会的イベントが多い。
国際空港(Wattay International Airport)から各主要会場まで20〜30分でアクセスでき、出張ベースの視察は1〜2泊が現実的。
ラオスの B2B 営業を計画する際は、単独イベントを追うのではなく、以下の3層で接点を設計する。
特にBangkok・Hanoi 経由でラオスバイヤーに会う戦略は、出張1回の生産性が大きく上がる。タイの主要見本市は CLMV(カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム)バイヤープログラムを設けているケースが多く、それを活用すると出展コストを最適化できる。

2026年5月〜12月のラオス国内主要 B2B イベントは、Vietnam-Laos Trade Fair(7月)と Made in Laos(10月)の2大行事に集約される。 日系・外資系企業がラオス市場との直接接点を持てる年間最大の機会となる。
2026年5月〜7月の主要イベントは以下の通り。
| イベント | 会期 | 会場 | 業界 |
|---|---|---|---|
| Vietnam-Laos Trade Fair 2026 | 2026/7/16–20 | Lao-ITECC | 二国間貿易(食品・消費財・建材ほか) |
Vietnam-Laos Trade Fair はベトナムとラオスの二国間貿易促進を目的としたフェアで、2026年は 200ブース規模、うち約120ブースがベトナムパビリオンとして運営される。ラオス・ベトナム両国の中小企業、流通業者、輸入バイヤーが集まるため、ラオスからベトナムへの輸出を狙う日系企業(ベトナム拠点経由)にも商談機会がある。
5月〜6月はタイの THAIFEX-Anuga Asia(5月末)、ProPak Asia(6月)など ASEAN 大型展示会と重なるため、ラオス出張のついでにバンコク経由で2拠点回るスケジュールが効率的。
2026年8月から10月の中核イベントは Made in Laos 2026。
| イベント | 会期 | 会場 | 業界 |
|---|---|---|---|
| Made in Laos 2026 | 2026/10/1–8 | Lao-ITECC | ラオス国産品全般(食品・繊維・工芸・農産物・サービス) |
Made in Laos は LNCCI(ラオス国家商工会議所)主催の年次イベントで、ラオス国産品のプロモーションを目的とする。出展者の中心はラオス国内の中小企業だが、海外バイヤー誘致にも力を入れており、輸入・代理店契約を狙う企業にとって良い接点となる。8日間の長期開催のため、商談スケジュールに余裕を持たせやすい。
8〜9月は雨季の影響を受ける時期で、視察を計画する際はビエンチャン市内の交通事情に注意。
11月〜12月は乾季入りで現地視察に好適だが、Lao-ITECC での大型 B2B 展示会は限定的。年末はラオス国内のローカル商談会が中心となる。
この時期は、タイの METALEX 2026(11/18–21、BITEC)や DigiTech ASEAN Thailand 2026(11/25–27、IMPACT) に CLMV バイヤーとして参加するラオス企業との接点設計が現実的。Vientiane と Bangkok は航空便で約1時間20分、1日複数便あり、出張1回での双方訪問が成立しやすい。

2027年のラオス B2B イベントは、現時点で公式の会期発表が限定的。 ただし Lao MSME Expo、Lao Digital Week、Made in Laos、Vietnam-Laos Trade Fair は年次開催の実績があるため、2026年の実績を参照しつつ各機関の発表を2026年後半〜2027年初頭にチェックする戦略が現実的。
2027年1〜3月は、2026年の実績パターンが回帰する見込み(年次開催実績からの編集部予測。公式発表待ち)。
この時期はラオスの国産品プロモーション系イベントが集中するため、消費財・食品・繊維・工芸品の輸入バイヤー、農産加工の技術提携先を探す企業にとって接点が多い。
Lao Digital Week は技術通信省(MTC)主催のラオス最大級のデジタル分野イベント。
ICT、AI、ブロックチェーン、ビッグデータ、クラウド、IoT など、デジタル分野のスタートアップと政府機関、研究機関、業界専門家が集まる場。Lao ICT Awards、サイバーセキュリティ競技、ロボティクス競技、スタートアップピッチなどのコンペが併設される。ラオスのデジタル人材・スタートアップ・政府デジタル化プロジェクトに接点を持ちたい場合の本命イベント。
なお、Digital Week は Lao-ITECC ではなく National Convention Centre が会場になる年があるため、Lao-ITECC を前提に動線を組んでいると会場ミスマッチになりかねない。出展・視察前に会場を必ず確認したい。
2027年のQ3〜Q4は、年次開催実績のある以下のイベントが想定される(年次開催実績からの編集部予測。公式発表待ち)。
両イベントとも年1回の開催実績があり、ラオス国内 B2B シーンの後半ハイライト。他国との二国間フェアが不定期で追加開催される可能性もあるため、LNCCI や駐ラオス大使館の発表を継続的に確認したい。

ラオス出展・視察前は、ビザ・通関・通訳・移動手段の4点を6か月前から逆算すると失敗が少ない。 さらに、ラオス単独では商機が限定的なため、近隣国連動戦略の組み立て方も重要となる。
6か月前まで
3か月前まで
1か月前まで
前日
1か月前まで
1週間前
当日
ラオス単独イベントで完結させないASEAN 連動戦略の典型パターン。
特に Bangkok-Vientiane 動線は航空便で約1時間20分、1日複数便あり、Vientiane に2泊、Bangkok に2泊の組み合わせで年間 4〜5 回の B2B 接点を組むパターンが効率的。陸路は Bangkok—Nong Khai—友好橋経由で12時間以上かかるため、出張ベースでは航空便を推奨。

ラオスのB2B展示会は、Made in Laos、Lao MSME Expo、Vietnam-Laos Trade Fair、Lao Digital Week の4つが核となる。年間の B2B 接点を最大化するには、これら現地核展に加えてタイ・ベトナムの ASEAN 大型展で CLMV バイヤープログラムを活用するハイブリッド戦略が現実的。
リードタイムは6か月以上を想定し、ビザ・通関・通訳・ホテルの4点は2〜3か月前までに確保したい。会期や出展条件は各イベント公式サイトで最新情報を確認することを推奨する。
参考:Lao-ITECC 公式(lao-itecc.la)、LNCCI(lncci.la)、Lao MSME Expo(msmeexpo.la)、ベトナム商工省(MOIT)、技術通信省(MTC / Lao Digital Week)、駐日ラオス大使館、在ラオス日本国大使館、各主催者公式サイト。
Chi
ラオス国立大学で情報科学を専攻し、在学中は統計ソフトウェアの開発に従事。データ分析とプログラミングの基礎を実践的に培った。2021 年より Web・アプリケーション開発の道に進み、2023 年からはフロントエンドとバックエンドの両領域で本格的な開発経験を積む。当社では AI を活用した Web サービスの設計・開発を担当し、自然言語処理(NLP)、機械学習、生成 AI・大規模言語モデル(LLM)を業務システムに統合するプロジェクトに携わる。最新技術のキャッチアップに貪欲で、技術検証から本番実装までのスピード感を大切にしている。